小児歯科
      小児歯科

お子さんを診させてもらう上で、歯科医師・歯科衛生士との信頼関係は非常に重要です。信頼関係を形成するためには、保護者の方のご協力がとても重要になります。
お子さんの良い歯医者さんデビューを達成させるためにご協力をお願いしたいことがございます。
小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けることもおすすめです。幼少期のうちから歯みがきの習慣をつけることはとても大切です。歯ブラシを少しずつ口に入れて、口の中を触れる感覚に慣れさせていきましょう。正しい歯みがきの仕方を歯ブラシの持ち方からアドバイスいたします。
フッ素はむし歯菌から作られる酸の生成を抑制する働きが期待できます。とくに乳歯や生えたての永久歯にむし歯の予防効果が大きいとされています。フッ素塗布によるむし歯予防は、乳歯が生え始める1歳前後から始め、定期的に継続するのが良いでしょう。3~4カ月に1回の歯面塗布をおすすめします。
ただし、フッ素を塗ったからむし歯ができないというわけではありませんので、お子さんのご自身の歯みがきやお母さんの仕上げみがきは忘れずに行うようにしましょう。
シーラントはむし歯になるリスクが高い歯の溝を、汚れがたまらないように埋めていく治療です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、むし歯になりやすいところなので、奥歯が生えたらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をお勧めします。
最近では食生活の変化や生活環境の変化から矯正処置が必要なお子さんが増加してきています。定期的に来院することで、口腔内の変化にいち早く気付き、矯正が必要であればご提案させていただきます。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、小・中学生の4割が歯肉炎というデータがあります。
歯肉炎とは、歯みがきの磨き残しが原因で引き起こる歯肉の炎症で、腫れたり、出血しやすくなったりする状態をいいます。放置してしまうと、大人になって歯周病を発症し、歯が抜け落ちてしまう可能性もありますので、きちんと治療しておくことが大切です。
一般的な歯肉炎は痛みを伴いません。そのため気づきにくく放置してしまうことも多い疾患です。子どもの歯肉炎には、最も多くみられる不潔性歯肉炎(歯茎の発赤、腫脹、出血症状などが起こります)、萌出性歯肉炎(永久歯が生える時に起こります)、思春期性歯肉炎(10〜15歳に思春期のホルモン変化により、起こりやすくなります)などがあります。
歯肉炎と診断されたとしても、正しく歯みがきをして、定期的なクリーニングなどを受け、しっかりケアをすれば多くの場合改善します。
歯肉炎は歯周病へと移行させないことが大切です。たかが歯肉炎と放置せず、ご家庭での正しい歯みがき(ブラッシング)と、歯科でのクリーニング(プロフェッショナルケア)などを利用して、しっかり治療しましょう。

妊娠中はむし歯が発生しやすくなります。その原因には、歯みがきが不十分になり、食生活の変化、口腔内細菌の増加などが考えられています。妊婦の方はこれらの特異性を考慮して、妊娠以前よりも丁寧に歯みがきを行う必要があります。つわりによって十分にできない場合は、こまめなうがいや間食を減らすなど、できる範囲でケアと工夫を心がけましょう。
妊娠中に増加する女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の影響を受け、通常では軽度の歯肉炎にとどまる状態でも、顕著な症状を呈するようになります。これを妊娠性歯周炎といいます。
妊婦さんの歯周病が著しい場合、早産や低体重児出産の危険性が高まることも報告されています。歯周病予防のためだけでなく、これらの妊婦トラブルを防止するうえでも、お口の中のケアは必要不可欠です。妊娠中はつわりなどで歯みがきがつらい時期もあると思うので、口腔内を清潔に保つことができるようにアドバイスさせてください。
エプーリスとは歯肉にできた限局性の良性腫瘍の名称で、妊娠性エプーリスは主に妊娠3カ月以降にみられます。歯肉にできるコブのような良性腫瘍で、大半は出産後に自然となくなります。女性ホルモンの影響によって引き起こされる炎症症状の結果と考えられています。
妊娠によって炎症が起こりやすくなり、様々な口内炎を引き起こすことがあります。
妊娠中は女性ホルモンとの関わりや妊娠による心理的な変化(不安や緊張)などで、唾液の分泌量が低下します。唾液の流れや量が変化することで、口臭が増大することがあります。
親知らずは、半分だけ生えたり斜めに生えたりすることが多く、むし歯や歯周病のリスクが高い歯です。とくに妊娠中は腫れや痛みが起こりやすいので注意が必要です。
出産予定日の1カ月前までは口腔ケアは可能ですが、治療は安定期である妊娠中期が適しています。
妊娠初期
妊娠1~4カ月頃
妊娠初期は、急を要さないケア・指導などを中心に行います。急性症状がある場合は一時的な処置を行い、流産のリスクを回避するためにも大きな治療・処置は避けます。本格的な治療は安定期に入ってから行います。
妊娠中期
妊娠5~8カ月頃
妊娠中期は安定期であるため、特別なケースを除き、通常の治療であれば受けることは可能です。気になる症状があれば、この時期に治療を済ませておきましょう。
妊娠後期
妊娠9カ月~
妊娠後期は、いつ陣痛が始まってもおかしくありませんし、お腹が大きくなり仰向けでの受診も大変です。早産などの危険を回避するため、この時期の歯科治療は控えるべきです。妊娠中期のうちに治療を済ませるか、産後、落ち着いてからの治療をお勧めします。
妊娠初期は赤ちゃんのエックス線に対する感受性が高いので注意が必要ですが、基本的に歯科で用いるエックス線撮影は、放射線量がごくわずかで照射部位も子宮から離れており、赤ちゃんに直接エックス線が当たることはないので危険度はかなり低いといえます。さらに安全にするため、妊婦さんには防衛用の鉛エプロンを必ず着用していただき撮影を行います。
歯科麻酔は局所麻酔であり、使用量は非常に少なく、局所で分解されるためおなかの赤ちゃんにまで影響が及ぶことはほぼありません。むし歯の治療などで痛みを我慢して治療を受けるほうが母子ともにストレスになることもありますので、必要に応じて最小限の歯科麻酔を行います。
生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内には、むし歯菌は存在しません。お子さんのむし歯の原因は、母子感染がもっとも多いといわれており、お母さんの口腔内にむし歯菌が少ない状態であれば、そのリスクを低減することが可能です。
むし歯菌に感染しやすい時期は生後10カ月くらいからで、乳歯列が完成して、硬いものが食べられるようになる約2歳半頃までといわれています。この間は赤ちゃんに使う箸やスプーンは専用のものにしたり、離乳食の際に咬み与えをしたりしないようにしましょう。日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さいころはご家族で一緒に歯みがきを行うとともに、きちんと磨けているかの仕上げ磨きをしてあげましょう。
出産した後のお母さんは、赤ちゃん中心の生活になってご自身のお時間を作るのも大変かと思いますが、赤ちゃんへの母子感染を防ぐため、お母さんだけでなくお子さんの口腔内ケアも視野に入れて、できるかぎり時間を見つけて検診に来ていただき、お口の健康をサポートさせてください。
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